経営幹部インタビュー 鎌谷 賢之

Executive interview

飛躍的成長を支える経営基盤の構築へ。
AI時代の経営の最前線に立つCFO

株式会社メタリアル
執行役員 管理本部長 CFO
(Chief Financial Officer:最高財務責任者)
鎌谷 賢之(かまや・たかゆき)

所属部署などは取材当時の情報を記載しています

プロフィール

東京大学法学部卒。三洋電機会長室・経営戦略部を経て、2009年よりソフトバンク株式会社(現ソフトバンクグループ株式会社)社長室にて「新30 年ビジョン」策定、国内外の大型買収案件などを担当。東進ハイスクールを運営するナガセ常務執行役員を経て、2017年よりRIZAPグループに参画、2020年より同社取締役として構造改革の実行による2 期連続黒字化を達成。2021年よりコンビニジム「chocoZAP」の立上げを推進、ブランド開始後約1年で会員数日本一を達成し、事業としても四半期黒字化を達成。2024年 7 月に株式会社クラウドワークスに参画。執行役員COO として買収子会社の経営やグループ経営の基盤整備に携わる。2025年 8 月、株式会社メタリアルに参画。執行役員管理本部長CFOに就任。

メタリアルではこれまでの
経験の全てを活かせると確信

鎌谷さんがこれまでに
歩んできた
キャリアについて、
教えてください。

経営戦略・経営企画部門を中心にコーポレート部門での仕事が長かったのですが、子会社の立て直しや新規事業の立ち上げなど、様々な業種での事業経営にも携わってきました。当社に着任して約3ヶ月が経ちましたが、私の過去のすべての経営経験が、これからのメタリアル・グループの成長の実現に活かすことができると確信しています。

実は学生時代は、弁護士を目指していた時期がありました。父は私の幼少の頃は自身で事業をしていたのですが、ほどなく倒産し、大きな借金を抱え、以降は勤め人として10年以上、ずっと働きづめでした。そして私が14歳のときに亡くなってしまった。それが社会問題になる前でしたが過労死だったと思っています。父が会社を潰した理由も、大学を出ておらず法律の知識が足りなかったせい。だから「法律の勉強をし、弁護士を目指しなさい」と父に言われていました。法学部に進学するまではその遺言を守った格好ですね。その後、法学部での勉強を通じて経営に携わりたいという気持ちのほうが強くなり、民間企業への就職を選択。その後は、さまざまな組織規模の会社でキャリアを重ねてきました。

今の鎌谷さんを形づくる
ベースに
なった経験は、何でしたか?

大きく分けると3つの経験が、ベースになっていると思います。

【1】公式の丸暗記ではなく、ゼロベースで考え抜く経験
高校時代、数学の先生に職員室に呼ばれ、「君は公式は覚えたらダメだよ」と言われ、衝撃を受けました。その代わりに、「公式ができた過程を理解しなさい」と指導されました。それからは、数学のテストの時は問題用紙の隅に小さい文字で高速で公式を作る作業を経て答えを出すということを繰り返していました。そのおかげで、応用力がものすごくついたという実感があります。その後、社会人になってからは、前例のない課題や難題に向き合った時には、「まずゼロベースで考えて自分なりに考え抜く」という姿勢が身につきました。

【2】超長期ビジョン策定に携わった経験
2010年にソフトバンクが発表した「新30年ビジョン」の策定を行った経験もとても貴重な機会でした。次の30年のビジョンとして発表しましたが、実際には300年先の未来のテクノロジーと社会の姿まで推測して、経営ビジョンと中長期戦略を策定。ちょうど現在が、策定してから15年が経過したところですが「クラウド化の進展」「IoTの普及」「生成AIの登場」などはほぼ予想どおりに展開しています。そのため、ソフトバンクの関係者からは、この30年ビジョンは、時間が経つにつれて評価が高まってきているという話も聞いています。

【3】現場現物主義の経営を実践した経験
その後、ソフトバンクでの経験を踏まえ、人に向き合った事業に挑戦すべく教育業界へ転じました。お世話になった東進ハイスクールでは「出社しても本社のデスクに座るのではなく、現場へ向かえ」「すぐに答えに飛びつくのではなく、現場で現物を自分の目で見て考えろ」という現場現物主義の哲学を実践させていただく貴重な機会をいただきました。その後、約3年間、スタッフや教室長、学生、保護者など関わる人たちの声に耳を傾け続けました。教育業界では、実際に受験勉強をする学生と、費用を負担する保護者の満足度が必ずしも一致するわけではないので、非常に難易度の高いビジネスモデルが経験できたと思っています。机上の空論に終わらせず、その場で起こっている現実をよく見て、解決へと導くことの重要さを実践して学ぶことができました。

メタリアルへ入社をしようと
思われた決め手は?

まず転職を考えたきっかけは、2024年頃から急速に普及が進んだ生成AIの存在でした。
ソフトバンクから転職し、10年近くにわたって教育や健康、人材など「人と向き合う事業」でのチャレンジを続けてきました。しかし、2024年前後の生成AIの急速な普及を受けて、私が想像していたよりも早くAI時代が到来すると感じて「もう一度、AI革命に関わる事業に戻らなければならない」という想いが強くなりました。

ちょうどそのタイミングで代表の五石さんと話をする機会があり、メタリアル・グループの掲げるビジョンと先見性に強く共感しました。またCAIOの米倉さんをはじめ、会社を支えている経営陣とも話をする中で「この人たちのために役に立ちたい」と思い、入社を決めました。そんな気持ちになったのは、初めてのことでしたね。

CFOは企業価値を伝える「会社の顔」

現在担当している業務について、
教えてください。

担当範囲は幅広く、財務、経理、IR、経営管理、法務、コーポレートガバナンス、人事、情報システムなどメタリアル・グループの管理部門全般を統括しています。毎日が濃密で、刺激的です。

どんなに優れた戦略でも、信頼がなければ実行するのは難しいもの。現場の一人ひとりと本音で話し、信頼関係を築くことが、CFOとして大切な仕事だと思っているので、時間を作り出して、さまざまなメンバーとの対話を重ねています。

CFOという立場で、
新たな取り組みにチャレンジ
していることはありますか?

これから特に注力したいのが、メタリアル・グループという「会社の価値」を正しく世の中に伝えていく活動です。メタリアルにはビジョナリーリーダーとしての存在感を放つ五石さんや、天才的なテクノロジーリーダーであるCAIOの米倉さんだけでなく、事業成長を牽引する多くの優れたリーダーやメンバーが集まっています。今後到来する「人類を超越した超知性(ASI)時代」を迎え、さらなる成長フェーズへと移行していくはずです。そうした会社の魅力を、広く届けていく必要があります。

五石さんからも「アメリカのCFOのように“会社の顔”になってほしい」との言葉があり、私自身もさまざまな工夫ができるのではないかと感じています。これからのAI時代になくてはならない会社であることを、世の中にどう伝えていくか。それを形にしていくことが、CFOとしての最大のミッションになるでしょう。

もちろん、最も重要なのは会社の成長戦略そのもの。属人的な成功ではなく、仕組みによって「勝てる状態」をつくることが大切になります。

メタリアル・グループは上場企業でありながら、ベンチャー気質の強い組織でもあり、意思決定スピードは非常に速いです。ベンチャーのスピード感と上場企業の安定性を両立できる骨太の成長戦略をしっかり作り上げて実践し、社外へも積極的に発信していきたいです。

成長する自分を支えてくれた
大切な言葉たち

仕事に取り組む際に大切にしている
価値観や言葉はありますか?

「迷ったときほど、遠くを見よ」
これはソフトバンクにいた頃に一緒にビジョン策定を進めていた孫正義さんの言葉です。
船に乗っている時に足元ばかりを見ていると、気持ち悪くなってしまいます。人生や仕事も足元ばかりを見ていると、多少うまくいかなかっただけでもくよくよしてしまうものです。悩んだ時こそ、遠くを見る。大切な判断を下さなければいけない時ほど、広い視点で物事を捉えるようにしています。

「1点を取るのと、1点を守るのには同じ価値がある」
サッカーの日本代表ゴールキーパーの権田修一選手の言葉にも励まされました。2022年のカタールW杯直前のインタビュー番組で見た言葉なのですが、個人的には、この価値観にかなりの衝撃を受けました。それ以来、管理部門のメンバーと対話する時にはこの言葉を時々引き合いに出しています。

企業の成長フェーズでは、営業や開発、マーケティング担当に注目が集まりがちですが、守る役割を担う人たちの活躍にも光を当てて、メンバーがやりがいを感じられる環境を作りたいと考えています。

※2010年にソフトバンクが発表した「新30年ビジョン」プレゼン資料より

そうした姿勢を大切にしながら、
管理部門として活躍されて
きたのですね。

そうですね。長年にわたり、財務や管理の枠を超え、事業再生やM&A後の統合にも深く関わってきました。数字を整えるだけでなく、現場と共に課題を解き、会社を再び成長軌道に乗せる——その経験が今の自分の原点になっています。

30年間描き続けてきた
「人類とAIが共生できる未来」
のビジョン

鎌谷さんは、どのような方と
一緒に働きたいですか?

成長していくプロセス自体を楽しめる方と、一緒に働きたいですね。

私が新卒で三洋電機に新卒入社した理由も「20〜30年後に世界的に問題になっているであろう環境問題に貢献したい」「業界2〜3番手の企業からスタートし、No.1のポジションを狙いたい」と思ったからでした。それから10年かけて環境・エナジーの領域で世界のトップを目指していくプロセスは、最高にエキサイティングでしたし、今のメタリアルが置かれている状況もとても似ています。

メタリアル・グループで活躍している経営幹部たちも、まさに同じようなタイプ。成長のプロセスを楽しみながら飛躍していきたい方は、存分に活躍できるでしょう。

最後に、これからの目標について
教えてください。

メタリアルは、今まさに挑戦の最中にいます。CFOとしては、メタリアル・グループのミッション実現に向けて、企業成長を次のステージへ進めることが目標。さらに、AI化が進む社会において、1人ひとりが幸せな人生を送るためのサポートをするような事業にもチャレンジしたいです。

私は「人類とAIが共生できる未来の実現を目指す」というビジョンを描いてきました。昔の人も同じように長期的なビジョンを描きながら物事を考えていたと思っています。

次の世代に「良いAI時代を導いてくれた世代」と胸を張って伝えられるよう、素晴らしい仲間と共に、全力でチャレンジを続けていきます。

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