経営幹部インタビュー 米倉 豪志
Executive interview
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仕事は楽しく、趣味はまじめに。
100日間連続で生成AIサービスをリリースし、
規格外のアイデアで世界を変えようとするCTO
株式会社メタリアル 取締役 CTO
(Chief Technology Officer:最高技術責任者)
米倉 豪志(よねくら・ごうし)
所属部署などは取材当時の情報を記載しています
プロフィール
機械商社でWebサイト制作のアルバイトに携わったことがきっかけで、ITについて学び始める。2000年にデータ圧縮技術の発明・開発に取り組み、特許を取得。その後、株式会社メディアドゥで国内最大級のモバイル検索サービスの設計を担当。AIクローン技術の開発企業を経て、2022年10月に株式会社メタリアルへ入社。 生成AIサービス「四季報AI」、ゲーム特化型翻訳AIエンジン「ella」の開発など、メタリアルの事業成長をリードするプロダクトを手がけてきた。2023年5月にメタリアル取締役に就任。作曲家としても活躍している。
気が合うか、おもしろいのか。
仕事で何をしないかを、
はっきりと決める。
これまでを振り返り、
今の仕事に役立っていると
感じた経験はありますか?
2つほどあります。1つは、最初のアルバイト先で出会った機械商社の社長から「仕事は楽しく、趣味はまじめに」という言葉をもらったことです。後に、自分で会社を立ち上げましたが、自社HPのトップページのその言葉を筆で書いて載せたほど、自分の背中を押してくれた言葉ですね。「楽しくない仕事はしない」と決めることができたから、今までやってこれたと思っています。
もう1つは、実は作曲の経験です。作曲は、普段の仕事で使う脳とは違う部分を発達させる効能があると感じています。例えば会議中に、他のメンバーとは異なる見方や考え方が出てきたりするんです。そこから課題を乗り越えるヒントが生まれるケースもあり、作曲は私にとってとても大切なことだなといつも思っています。
メタリアルへ
入社をしようと思われた決め手は?
代表の五石さんに声をかけてもらったことが、決め手になりました。五石さんと知り合ったのは、前職で勤めていた会社がメタリアルから資金調達をしたことがきっかけです。当時は私がファイナンス担当として、投資家への説明なども行なっており、自然といろいろな話をする仲になりました。気が合ったんですよね。仕事の楽しさは「誰と一緒に働くか」に大きく影響されますから、気が合うかどうかは大切です。
前職を辞めた後も、五石さんには声をかけて話を聞いてもらったんです。すると「新しい事業を立ち上げるなら、協力するよ。それからうちの会社も手伝って!」とオファーをいただきまして。こちらも「OKです!」とテンポよく答えました。この意思決定までのスピードは非常に速かったと思います。お互いに信頼しあえているから即決できたんでしょうね。
CTO自らがあり得ない
アイデアの実現を目指す
現在担当している業務について、
教えてください。
現在はメタリアルのCTOという立場で、会社の技術的な方向性を考え、開発戦略を策定しています。具体的にはAIによる業務の全自動化を目指すために必要なことに、幅広く取り組むような仕事です。
人間の仕事を単純にAIへ置き換えるのではなく、AIが自律的に事業を進めていける環境を整備するにはどうすれば良いか。そのプロセスの部分から紐解いています。
AIがもっとも得意とする領域は勇気を持って任せて、マネタイズしていく。その代わりに人間は「人間にしかできない仕事」をすれば良いと、私は思います。
結局、人間は「そこに人間が関わっているかどうか」を信じたい生き物なんですよ。ちょっとイメージしてみてください。駅の自動改札に交通系ICカードをかざして通過する。その時に「機械が問題なく動いて、スムーズに通過できるはずだ」と信じていませんか?なぜでしょう?
例えば「あの機械は優秀なエンジニアが多い大手A社が作ったから」というように、人間が作ったものだから「うまくいくはずだ」と信じている方も多いのではないでしょうか?
作ったものが、きちんと動く。その裏には「介在した人が必ずいること」を知っていて、その人たちを信じているから、ビジネスが成立しているはずです。今後は「背後の文脈を理解し、信じる」という役割を、人間が担っていくことになるでしょう。
最近では
「50日間連続で生成AIサービスをリリースする」
というプロジェクトにも
チャレンジされましたね。
どのような経緯でスタートしたのですか?
このプロジェクトのアイデアは、ある日、シャワーを浴びている時にふと思いつきました。それまでもずっと「生成AIを多くの企業に導入させるには、どうすれば良いんだろう?」とずっと考えていたんです。基本的に人間は「AIは仕事を奪う敵だ!」と思ってしまいますし、実際に数百人のエンジニアが稼働して作るプロダクトも、AIを使えば2人で済むようになります。その脅威を、人間は肌で感じているはずです。
一方で、AIだからこそ可能なこともあります。そのために圧倒的なスピードで生成AIサービスを開発することを実現して発信すれば、社会的インパクトの大きなメッセージが伝わるのではないかと考えました。生成AIでアプリ開発をすれば、1日1本ペースでのリリースが可能です。この取り組みは、おそらく史上初。マーケティング効果も十分でしょう。
そのような背景のもと2025年4月からスタートし、50営業日連続で業界特化型のAIエージェントサービスを開発。結果として3ヶ月を超えてもなお、リリースを続けており、9月17日には100営業日連続リリース達成、通算101個目となるAIエージェントをリリースするに至っています。
特化型AIが企業導入のカギを握る理由
いわゆるChatGPTのような
「汎用型AI」ではなく、
特化型AIを手がけている
メリットについて教えてください。
汎用型AIは守備範囲が広いですから、言ってしまえば何にでも対応できます。しかし明確に使い方がわかっていないと、なかなか使いこなせません。プロンプトを書き、正しく指示をして…と進めていけば良いのですが、新しい知識を学ぶ必要がありますよね。人間は、なるべく労力をかけたくない生き物です。面倒なことは、極力やりたくないでしょう。「自分の業務をラクにして欲しいのに、新しい学習なんてしたくない!」と思いませんか?
※カナダ・バンクーバーの自宅で仕事をする米倉
一方で、特化型AIは特定の目的別に最適化されています。「困ったらこれを選ぶ」というように、すぐに頼れる存在です。「水を使いたい」と思った時の行動として、一般的にイメージするのは「蛇口をひねって水を出す」でしょう。それと同様に「何かしたい」と感じた時に最適化されたAIを最初に想起できれば、必ず使おうとするのではないかと。
これはUIと関連する話でもあります。インターネットが目の前にあるだけでは、モノは買えません。UIを提供してくれるAmazonがいるから、モノが買えるわけです。ITリテラシーが高くないと使えないような、複雑なアプリは存在しないも同じ。特化型AIは、どんな人にとっても使える、価値あるサービスを提供できる可能性があるのです。
“開発者”という立場から見た
メタリアルの魅力とは、何でしょうか?
「50日連続で特化型生成AIサービスをリリースしたい」と提案し、自由にやらせてもらえる環境があるのは非常に魅力的ですよね。経営陣はこの提案を聞いて、爆笑していましたから。普通は「大丈夫なの?」とざわつくでしょうし、こうした発想もなかなか出てこないでしょう。
それでも五石さんをはじめ、メンバー全員が「おもしろいからやってみよう!」と認めてくれます。なかなかうまくいかない時でも、温かいメッセージやサポートを通じて支えてくれていると感じますね。
挑戦したいと願う開発者の気持ちを受け止め、応援してくれるメンバーの人間性が、にじみ出ている組織だと思っています。
AI開発企業として
目指すべき未来に必要な人材とは
どのような方と一緒に働きたいですか?
「これが好きだ!」と誇れるものを持っている方と、一緒に働きたいです。仕事でなくても、趣味でもかまいません。先日も「eスポーツに打ち込んでいる」「アニメが大好き」といった方と実際に面接でお会いして、こちらもワクワクしました。
私自身、人生を賭けて物事に打ち込む人生を歩んできました。だからこそ、同じ境遇の方が、どうやって駆動するのか分かるんです。組織の中に、少し違った視点や概念を持ち込み、社内全体に広げてくれるような方と働けることを、楽しみにしています。
最後に、
これからの目標について
教えてください。
個人的には、一瞬たりとも退屈な瞬間がない人生を、最後まで生きたいと思っています。仕事に対しても、考え方は同じです。
メタリアル・グループ全社の業務が自動化され、メンバーが集まり「さて、これからどうしようか?」と会議が開かれる。そんな日が来る未来を、すぐにでも実現したいですね。私が投資家から「AIって何ですか?」と質問を受けていたのが2014年。ChatGPTが誕生したのが2021年。そこからの進化のスピードを考えると、予想以上に速く実現すると期待しています。